久しぶりに栗原先輩に電話したら、先輩は私達の故郷にある格安スーパーで買い物中だった。

そのスーパーは私の実家から歩いて行ける距離にあり、私も帰省したら毎日のように通っている店だ。とにかく何でも安くて、品揃えもいい。日本は便利だわ。

 

栗原先輩は、90歳を越えたお母さんの様子を見るために隔月で帰省しているが、普段は埼玉県川口市のワンルームマンションで一人暮らしをしている。

お母さんは実家近くの福祉施設に入居している。お姉さん一家ももう東京に家を買っているので、実家を売却しようかと思案中なのだそうだ。

 

私は、年配の人に部屋を貸したがらない大家さんが多いと聞いたので、例え田舎でも自分の不動産は持っておいたほうがいいのではないか、と意見した。

栗原先輩が住んでいるのは賃貸で、これからいつ何らかの理由で追い出されるやもしれない。その時に次の賃貸がすぐに見つかればいいのだけれど。マンションを購入するにしても、もうほぼ働いていないのだからローンは組めないし、今ある現金は老後のために残しておいた方がいいような気がする。

 

でも、田舎に帰って来て実家に住むの〜 なんかやだなショボーン と乗り気ではない栗原先輩。

 

最近、川口市はクルド人が増えて大騒ぎっていうじゃないの。そんな危険なところにずっと住んでいていいの? 

 

と私が言うと、先輩は、

 

メディアではそう言われているけれど、俺はあまり感じないんだよ。確かに街で毎日クルド人は見かけるよ。でも、危険とか、そんな風じゃないんだよなあ。

 

といたって呑気。

 

ちなみに、スウェーデンにもクルド人はたくさん住んでいる。恐らく70、80年代から住んでいたと思う。

最近移り住んだ人ももちろんいるが、今はもう3代目、4代目も多く住んでいるので、彼らは完璧なスウェーデン語を話し、社会のあちらこちらで活躍している。

もちろん悪いことをする人もいる。でも、これだけたくさんクルド人が住んでいたら、その中には悪い人がいても不思議はないと思う。

 

私は川口市に行ったことはないが、他の外国人と比較してクルド人が特に脅威を感じさせるのは、

彼らがいつも男性同士何人も集まって、街にたむろしているからではないかと思う。

そこで必ずしも悪いことを計画相談しているというわけではない。ただ、彼らは集まって話をするのが好きなのだ。

 

スウェーデンでも、移民の多い地域のショッピングセンターに行くと、公園やモールで昼間っから集まって雑談をしている中東人やアフリカ人男性の多いこと多いこと。それにしても、なんで集まっているのはいつも男性ばかりなんだろう、と思う。女性は家にいて家事に追われているのかもしれない。

 

 

 

 

私は長いスウェーデン生活の中で、クルド人の同級生や同僚とも多く接してきた。若者の中には、アニメや漫画を通じて日本好きになり、日本語を学び始めたというクルド人もいた。

彼らが今日本に行って、ひどい偏見に出会って失望したりするのではないかと思うと胸が苦しくなる。

 

 

 

 

今や日本の人口は減る一方で、外国人居住者を受け入れなくてはならないのは必須となった。

受け入れ体制と教育、職業斡旋の制度はどうなっているのだろうか。ただ人口が増えればいいってもんじゃないだろう。

しかし日本の政治家を見ていると、先のことまで考えている人はいなさそう・・・。

 

 

(今日のスウェーデン写真)

 

ペーパーフラワーの作り方を習って来ました。初めての作品、イマイチです。