今日はマフィアの日!
この人は悪いなあ、と思った人は?
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暇になったせいか、20代の社会人になりたてだった頃のことをよく思い出す。
私が勤めていたのは上場企業で、恐らく日本では誰もが名前を知っているような会社だった。かなり歴史が古い会社なせいか、当時もう50代になる独身女性も何人か勤めていた。
その女性たちがいつからそこで働き始めたのかは知らない。でも、終戦間もない頃からいたのではないだろうか。
一人は最初タイピストとして入社したという、小柄でターキーを思わせるような白髪のショートカットの女性。
「あとXX日で定年・・・」
と自由になるのを楽しみにしているようだった。
もう一人はもう少し若い、いかにもオバサンという感じのもっさりした女性だった。
彼女らのように、独身でそこに長く勤めている女性には、同じ職場の同年代の男性・・・ XX課長とか、XXX支店長とか、と昔不倫をしていたという噂があった。しかし、彼女らはもう既に、女というよりはオバサンやお婆さんだったので、そんなことを誰も深く気に留めてはいなかった。
独身で長く勤めるうちに不倫をするようになったのか、それとも不倫相手のそばにいたいがためにそこに長く勤めていたのかは不明だが、50代になっても「女の子」よばわりされながら、どういう気持で勤めていたのか、今でも不明である。
これからずっと一人で生きていくことを決意したからには、お金、ひいては安定した仕事が必要だ。だから、定年までなんとしてでも勤め上げようと思っていたのだろう、きっと。
一方、彼女らの不倫の相手だったXX課長やらXXX支店長やらは、家庭があり、子供もいて、家も所有し、万年「女の子」とは桁が違う給料と、ずっと多い退職金を貰っていた。
立場が違えば考え方は違うだろうけれど、私は「なにがうれしくてそんな男の犠牲になるような一生をおくらなければいけないのだろう」と思っていた。
ばかみたい。
だけど、好きになったら理屈ではないのよ という人もいるよね。
そんな人には、私がたまたまネット上で見つけたこの漫画をぜひ読んでみてほしいな。
一人暮らしの80歳女性、児珠よしさん。年金もあまりなさそうな彼女は、節約のため万引きをし、度々捕まっている。
和裁士だった彼女の不倫相手は、恐らく日本舞踊の家元。彼のためにいつも心をこめて仕立てた着物、秘められた恋 ・・・ だがその彼はだいぶ前からもうこの世の人ではないと思われる。
日本舞踊の家元として死ぬまで栄光と多くの人の賛美に囲まれていたであろう男は、よしさんを一人小さなアパートに残したままでこの世を去った。
よしさん、若い頃もっとうまく立ち回って、家元からできるだけお金を絞りとるとか、他の男と掛け持ちするとか、できなかったのかねえ。それほど一筋に彼を愛していたのね。
でもその結果が、この寂しい老後 ・・・ そして貧困と孤独のせいで、思い切りひん曲がった人格。終いには、もう生きていたくない、とまで言う。あまりに悲しいじゃないですか。
私は、彼女らの不倫相手だった地位も名誉もある男らは、本当に悪いなあ と思うよ。自分は安全なところにいながら、孤独な女性の美味しい部分だけ吸い取り。そりゃ、彼らの奥さんにとっては、不倫の相手をした彼女らも十分悪い女なんだけど、でも・・・。
上のリンクの漫画を読むと、長期に渡るこだわりの不倫を続けることのばからしさに気づくんじゃないかな。
(今日のスウェーデン写真)
久しぶりにストックホルム市内を散歩した。Påsk(イースター)も近づき、お店のウインドーも春一色。ここは造花のお店 ↓